
初めてタロットカードに興味を持ち、デッキを手にした時、私は途方にくれました。
「78枚ある… これ、一枚ずつ、全部意味を覚えないといけないの? しかも向きが逆だと、意味が変わるってことは…」暗記が苦手だった私には、始める前からすでに高いハードルが目の前にあったのです。
「せっかく始めるのだから、どうにか初心者にもわかりやすい資料はないものか」
手当たり次第に書店をさまよいました。
ネットのレビューも見ました。
何冊か購入しましたが、その多くが「占い方」の本でした。
◯◯が知りたい時は、カードをこう並べて、ここのカードがどんなことを表していて…といったような内容、つまりカード1枚の意味は分かっている前提で描かれている本だったのです!
カードの意味自体は調べれば出て来ますが、いちいち調べていたら時間がかかって仕方がありません。
覚える方が絶対に早いのです。

タロットカードには、大アルカナと呼ばれる大きな意味を持った力の強いカード(全部で22枚)と、小アルカナと呼ばれる細かな意味を指すカード(全部で56枚)があります。
大アルカナは比較的覚えやすいカードです。
「太陽」や「星」「世界」など、カードの名前と大体のイメージが一致しています。(「死神」はよく誤解されますが、これは吉兆のカードです)
問題は「小アルカナ」の方です。
4種類のマークのカードが14枚ずつあります。
トランプをイメージしていただければいいと思います。
例えば、スペードのエースの意味はこれ、ハートの8の意味はこれ、と覚えるられるでしょうか?
私には無理です…。
そんな、途方に暮れていた私が出会ったのが、タロット教科書 (第1巻) (魔女の家books)でした。
全部で第3巻まであるはずです。
2・3巻も入手しましたが、さらっと見てそのまま本棚に眠っています。
一番必要なのは、第1巻です!
この本の素晴らしいところは、小アルカナの意味を物語として紹介しているところです。
「このマークは1から10まで、こんな物語を表現している」と教えてくれます。
1でこうなって、それが2でこう変化するから、2はこういう意味。
それが3になると…というように、一本の物語のシーンを切り取ったように、カードを説明しています。
これなら記憶力に自信がない人でも、覚えやすいのではないでしょうか。
単なる丸暗記ではないので、長い間離れていてもすぐに思い出すことができます。
もう一つ、この覚え方の素晴らしいところをご紹介します。
タロットカードはインスピレーションの占い方法です。

「このカードが出たからこういう意味」という読み取り方は、確かに基本ではありますが、逆に言うと基本でしかありません。
では応用はといえば、インスピレーションです。
「本来はこういう意味で読み取るけれど、今回は違う〈気がする〉」ことが大切です。
すべてのカードを眺めて、つなげて読み取る想像力です。
これを鍛える第一歩として、この本の「小アルカナ」の意味紹介の仕方は優れています。
自然と、カードの読み取り方が身についてきます(気がつくと、自分なりの読み方ができるようになっていますし、それが本来の意味と違っていたとしても、現実とは合っている、という不思議な体験をするようになります。最後には自分を信じて!)
基本的な占い方や例も多く掲載されており、必要なところだけ読んでも価値のある一冊となっております。
慣れた頃に隅々まで目を通してみると、「そうだったのか!」という発見があります。
初心者の時にはそこまで気にすることができない複雑な仕組みや読み取り方が、幅広く掲載されています。
長くつかえるオススメの一冊。それがタロット教科書 (第1巻) (魔女の家books)
文責 SORATO
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